
INCHIKI MUSCLE CLUB
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Willwood 時間無制限 1本勝負
平成29年10月
フロントブレーキを交換
度重なるサーキット走行により、ハブベアリングが死亡・・・
さらにキャリパーの固定ネジがナメている事が判明。
これは、まさにブレーキアップグレードのチャンスです!
早速、色々調べてみました。
1973以前のマスタングのフロントブレーキは、ドラム式とディスク式があり
ドラムをディスクにアップグレードするキットは、とても充実しています。
しかし、ディスク式を交換アップグレードしようとすると苦戦します。
理由は、スピンドルナックルの形状の違いによるものです。
ドラム用のスピンドルは、穴が4つ穴で四角、ディスク用は3つで三角です。
ドラムブレーキの場合は加工が必要ありませんが、
純正ディスクの場合パーツメーカーによって加工が必要なので要注意。
年式によってスピンドルのサイズが違うためハブベアリングのサイズも変わってきます。
私の車は、70-73年のサイズに交換されていました。
なぜ70-73かと思って調べたところ、どうやら新品のアフターパーツに、
この年式以降のスピンドルしか出回っていないようです。
69年あたりから、それ以前のスピンドルよりも若干太目になっています。
細いものをあえて使うメリットがあまり無いというのも理由なのかもしれません。
ブレーキ関係の各社をリサーチ
SSBC ドラム→ディスクのセット販売は充実。
ディスクスピンドル用のブラケットとキャリパーのセット販売あり。
キャリパー交換だけならこれがベスト↓加工なしでブラケットもシンプル。
ウィルウッド ブラケットがマルチでドラム・ディスク両方のスピンドルに対応。
パーツの品番、サイズ、取付方法などデータが最も充実。
グローバルウエスト 自社のハブ一体ディスクローターとウイルウッドの組み合わせ。
ディスクも肉厚で作りは良さそうだが、価格帯やや高め。
加工いらず。
トータルコントロール ディスク用設定なしの為、スピンドルも要交換。
70-73ディスク用スピンドル取り扱いあり。
スピンドル軸径記載なし。
ホームページが、情報不足で見ずらい。
(人のことは言えませんが・・・)
CPP ドラム→ディスクのセット販売充実。
ディスク用設定なしの為、スピンドルも要交換。
BOSSの強化ベアリング仕様ドラムスピンドルあり。
フォード・グラナダのスピンドルとタイロッドを流用したキットが
充実。
レーシーではないが、ラインナップに誠実さを感じ好印象。
ベアー 加工なしだが、そもそも高くて手が出ない。
結局、私のチョイスは、ウィルウッドです。しかも一番安いやつ(笑)
費用面もありますが、パーツのデータが詳細に把握できる点がダントツでした。
買ってみたけれど、微妙に合わなかったりする事は、アメ車いじりのお約束です。
英語が堪能でない以上、どれだけ細かく調べられるかが鍵になります。
私も面倒くさがりなのですが、経験上、ここをサボると結果的にお金がどんどん無くなり、
無駄なパーツの山を作り、情熱も削り取られていくという事を学習してきました。
そんな徹夜のネット検索にしっかり応えてくれたのは、やはり定番ウィルウッドでした。
今回、ドリルドローターは見合わせました。
年数回のレース以外にも街乗りやツーリングの機会も多く、耐久面を考慮してのことです。
レースだけならパッドもローターも消耗品と割り切れますが、
欲張りな人間の性に応えてくれるのは、やはり面つる鉄ハブローターでしょう!
作業開始 ※もし自分でやるなら、プロの監督下で行ってください。
私はチェックしてもらえる環境で作業を行いました。
加工前のスピンドル。バックプレートの取付穴を加工して
ブラケットの取付穴にしてしまおうというアメリカンな発想!
これが説明書通りというのが、恐ろしい・・・。
2mmちょっと穴をドリルで拡張。
切削オイルを注油しながらドリル、切カス掃除を延々と繰り返します。
慎重にタップを立てていきます。
2日連続で深夜の作業。8時間かかってようやく穴の処理が完成。
正直、大変です・・・。自分でやるのはおススメしません。
ブラケットもピッタりで一安心。40ポンド(54Nmくらい)で締め付けます。
ここからは、楽しい組付け作業!スムーズに進みます。
ベアリングにグリスを馴染ませて、ハブに組み込みます。
スピンドルの表面が少し傷ついていたので軽めに研磨してから組みました。
ハブローターを取り付けてナットで固定後、割ピンで脱落防止。
キツく締めると回りが悪くなりますので、少し緩めに締めます。
中心部に蓋(ダストカバー)を叩き込みます。
ウィルウッドと言えばこのデザイン↑ですが、
モダンすぎて好みで無いのもローター・ハブ一体型を選んだ理由の一つ。
キャリパーをドッキング。ねじ2本40ポンド(54Nmくらい)で締め付け。
ホースを連結。捻じれ具合を考慮しながら、意外と強めに締め付けます。
エア抜きして完成。
ブリーダーは4カ所ですが、上向きの2本(内外)で抜きます。
多分、空気は上に逃げるからだと思います。
完成インプレッション
私は、マニュアルブレーキ好きです。
最初から食いついて奥でロックするようなフィーリングは求めません。
今までのシングルピストンキャリパーは効いてましたが、急制動時は力不足。
交換後は、弱く踏んだ時のコントロール性は損なわれずに、
奥まで強く踏めば、踏んだだけしっかり効いてくれる感じで
ノンパワーの味ををしっかり残せたように感じます。
マスターシリンダーとの相性も良かったので交換せずに済みました。
ドリルとタップの工程がとても根気がいる作業で大変でした。
お金は節約できましたが、肉体と精神は破壊されました。
加工の必要ないキットで組むことを強くお勧めします。
もし加工が必要なら、プロにお任せした方が良いと思います。
ともあれ結果は大成功!
サーキットを走ったら、またインプレッションを追加いたします。
















